金メダル確実と期待された星野Japanが銅メダルにも届かず、期待が高かっただけに、一転、色々な角度から批難を浴びています。日本のメディアは「勝てば官軍、負ければ賊軍」の傾向が強いので、週刊誌に続き、来週早々月刊誌が発行されることもあって、当分の間、星野Japanに対して集中砲火が続くと予想します。
だが、当然、数多くの批判の中には的外れもあります。星野Japanが選手村に入らなかったことが敗因であるが如きコメントはその典型的例です。今日は、オリンピックとプロリーグ及びプロ選手について考察します。
国際試合出場のために選手をチーム(クラブ)から解放(release)する仕組みは1870年に行われたイングランド対スコットランドのサッカー試合から始まり、このしきたりがサッカーのみならず、他のスポーツにも普及して今日に至っています。選手を解放する仕組みは選手がアマチュアであれば通用します。なぜなら、選手に報酬を払う必要がないからです。しかし、プロとなれば話が異なります。
アメリカのMLBや日本のNPBはプロ組織です。資金や経営の面では、IOCのみならず、USOCやJOCとも完全に独立した形を取っています。リーグと球団はシーズン中の試合及び試合から派生する権利を現金化することで収入を得、収入の中から選手に年俸を払っています。球団経営者は株主である球団オーナーまたはオーナー企業に対して企業責任を負い、収支を整えることが求められます。同時に、リーグや球団は選手に対してリーグや球団が主催しない試合に出場することを禁じています。なぜなら、年俸を払っているのは球団だからです。
したがって、選手がリーグや球団が主催しない試合に出場する場合、球団は主催者に選手出場に対する対価や万一選手がケガをしたときの補償を求めるのは当然のことです。もし、選手出場の対価を貰えない場合、選手解放を行わないのが普通の経営者の判断です。
だから、MLBはシーズン途中であることを理由に、MLB傘下の選手をオリンピックに派遣しませんでした。一方、NPBは選手をオリンピックに解放しました。
プロのオリンピック参加が解禁されて30年以上経ちますが、オリンピックの主催者のIOCは参加したプロ選手に対する無報酬を依然として貫いていますので、オリンピックの経済構造はプロ参加容認以前の状態が続いていることになります。この点を曖昧にせず、オリンピック出場のプロ選手に対する対価を明確にする必要があります。本来、主催者であるIOCに支払義務がありますが、IOCと各国オリンピック委員会との間で別途支払方法を定めることも可能と考えます。
優勝した韓国代表に対する最大のインセンティブは兵役免除でした。日本は兵役がありませんので、JOCが選手1人あたり1億円の報奨金を用意しておれば、あんな無様な負け方はしなかったでしょう。
プロ選手を無料で使うことは止めた方が良いし、況して、プロ選手を選手村に入れることは止めた方が良いでしょう。アメリカのバスケットボールのように、NBAの選手を特別扱いにして優勝を勝ち得た方がプロの世界では最上の策と考えます。







