執筆・メディア・講演等 ご依頼はこちらMAIL
プロフィール
メディア関連
リンク
MLB.com

NBA

NFL

NHL

2009年 11月
« 10月   12月 »
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  
色は記事がある日です。ご覧になりたい方はクリックください。

カテゴリー

最近の記事

アーカイブ

米国の大リーグではヤンキースとフィリーズによるワールド(W)・シリーズが始まり、3日遅れで、日本でもジャイアンツとファイターズの日本(日)・シリーズがスタートした。日米共に今年のプロ野球シーズンが大詰めに入った。

大リーグでもチーム数が少ない時はW・シリーズだけだったが、チーム数が増え、チームを地区ごとに4から6に分けるようになると、プレーオフ(PO、レギュラー(R)・シーズン終了から優勝決定戦までの試合)を行うようになった。その意味では、12チームの日本は、日・シリーズで事足りるが、現在、クライマックス(CS)・シリーズと称する上位3チームによるリーグ優勝決定戦を経て、日・シリーズを実施している。12チームの中の6チームがCSに進出するやり方をおかしいと非難する向きもあるが、米国のNBAやNHLでは30チームの内16チームがPOに残るやり方を採用しており、日本のCSが特に珍しいことではない。だが、優勝決定戦に至るプロセスは似通っていても、R・シーズン終盤からPO終了までのビジネスに関する日米の考え方は大きく異なっている。
フランチャイズ(F)制度の下での地方市場とPOが創造する全国市場の経済的両立を図ることがリーグ及びチームに収入の最大化をもたらすが、日本では全国市場でのビジネス展開について十分に理解されていない。詰まる所、日米の収入格差は市場に対する認識の違いから生じている。日米のプロ野球は共にF制度を取っており、この制度の下で、各チームは地域独占営業権を保有する。チームとファン(顧客)の関係では、チームによる「売り手市場」が形成される。この結果、チームの営業区域に住む人々が他のチームを地元球場で応援する機会はないに等しい。つまり、F制度の下では、必然的に、地域密着の応援が当たり前なのだ。だから、R・シーズンの開幕時は、各チームを応援するファン層と全チームの営業区域外に住むファン(野球は好きだが特に応援するチームのない人たち)の塊とに二分され、応援するチームを持つファンは応援するチームの優勝を願い、応援するチームのないファンは優勝争いの行方を見守る姿勢を取ることになる。

かかる状況下、R・シーズン開始から中盤の夏場まで、すなわち、優勝争いから脱落するチームが出始めるまでは、応援が分散するので、高いテレビ視聴率を取ることは極めて難しい。そのため、米国の地上波テレビ局は、夏場頃まで生中継を行わない。夏場頃まではケーブル局が野球中継の担い手となる。ところが、R・シーズンも中盤から終盤に入り始めると、PO進出がかなわないチームが出てくる。同時に、首位争いとPO進出を掛けた戦いが熾烈になってくるので、優勝争いやPO生き残りに全国のファンの視線が移ることになる。そして、Rシーズン終盤からW・シリーズに至る約2ヶ月間は、優勝争いを行っているチームの区域を中心に、全国市場が最も活発化する。米国の地上波テレビ局はこの時期に力を集中し、収支を整えている。

一方、日本では、開幕から巨人戦を全試合生中継するが、近年になって視聴率が期待値まで届かないので、夏場から終盤にかけての試合中継を中止している。終盤以降、地上波による生中継が減少し、リーグ優勝の瞬間も生中継で見ることができないことも不思議なことではなくなった。これでは、全国展開のビジネスが活性化しない。R・シーズン終盤からW・シリーズまでの2ヶ月間、テレビを中心とした全国市場でコミッショナーが勝ち上がるチームのロゴ付き商品の売上を促進し、スポンサーの協力を得て優勝争いを煽るのが米国。コミッショナーがビジネスに関与しないのが日本。格差が広がるのは当然、と言わざるをえない。

トラックバック URL : http://blog.nippon-sports.com/archives/265/trackback/