北京オリンピックサッカーの日本代表オーバーエージ枠選出に関連して、ガンバ大阪の遠藤選手に次いで、ヴィッセル神戸のFW大久保選手にサッカー協会から召集の打診がありましたが、神戸の安達社長が断ったとの報道がありました。
大久保が今年2月に右ひざを手術しており無理させたくない、また、チームも13位で大久保が必要である、との理由でした。
協会と神戸はサッカー界が抱える最も難しい問題に直面したことになります。
1863年にイングランドサッカー協会が設立され、1870年にイングランドやスコットランドなどイギリスの4地域が「国際試合」と称する代表同士の試合を行うに際して、協会は代表チームを組成するために、協会に属するクラブに試合に参加する選手の解放を義務付けました。この仕組みはイギリスから世界中に浸透し、プロリーグが出来た今でも、代表選手を召集する時に世界各国で採用されています。
スポーツの世界は、時として、経済の原理が通用しない部分があります。特に、サッカーでは、労働した人(選手)に労働に見合った報酬が支払われなかったり、ケガの場合の補償が曖昧だったりします。
サッカー協会は選手を保有しませんので、FIFA主催のワールドカップやIOCのオリンピックなどの国際試合となれば、「傭兵」の如く、Jリーグのクラブに選手を解放させます。その時、クラブにとっての難題は、選手解放が不定期な人事異動を意味し、しかも、コスト増に繋がることです。
現在、代表選手の招集は、クラブにとって、突然の出費と同じになっており、安定した企業経営を損なう形になっています。ヨーロッパの強豪チームのように2チーム分の選手を抱えるだけの財務力があれば何時でも協会の召集に応じることができますが、赤字経営のJリーグのクラブにヨーロッパの強豪チームと同じことを望むのは酷です。
いつもの説ですが、国際試合が増えつづける現在、協会とJリーグを共同勘定にすることが最も賢明な策と考えます。







