レポートの公表から3週間が経ちました。レポートに載った選手の反応は2つに分かれました。1つ目のグループは容認、2つ目のグループは否認です。ところが、面白いことに、否認している選手たちが誰1人としてミッチェル氏を裁判所に訴えていません。アメリカは訴訟の国です。否認している選手が「事実無根、名誉を著しく傷つけられた」と裁判沙汰にすると予想しましたが、予想が外れました。
例外はロジャー・クレメンスです。彼は、証言した元トレーナーを提訴しました。しかし、彼もミッチェル氏を訴えていませんので、結局、これまでの所、ミッチェル・レポートに記載された選手はレポート内容を暗黙の内に認めたことになると言えるでしょう。
「反ドーピング」と言えば、世界反ドーピング機構(WADA)のディック・パウンド委員長が昨年12月31日に退任しました。1999年のWADA設立時に就任し、反ドーピングを世界規模で推進した立役者でした。彼の尽力で、シドニー・オリンピックからオリンピックの放送権利料の1.9%(2,500万ドル)がWADAの運営・活動費に配分され始めました。この配分はアテネ、北京と続きます。
アマチュア時代に経済的に苦しかったオリンピックですが、脱アマチュア以降は大会にも選手にも大きな金額がまつわり付くことになりました。特に選手は「優勝の栄冠」は大金を手にすることにもなりますので、選手のみならず周りが「ドーピング」の誘惑に駆られがちです。だからこそ、IOCとWADAは反ドーピングに最も力を注いでいるのです。
MLBが、今、ドーピングに対して自己改革を迫られていることは間違いないことですし、やがて、日本のプロ野球やJリーグにも波及してくるでしょう。







