29日と30日、北茨城の五浦海岸温泉地に宿泊しました。住んでいる柏から北茨城まで約130Kmの距離です。常磐道の高速料金が片道3,450円、ハイオクのガソリン代が1リッター当り154円でしたので、たかが130Kmを往復するだけで、高速料金とガソリン代で軽く1万円を超えました。日本の道路行政は何か狂っていると感じざるをえません。
国会は昨日まで、「1リッター当り25円」の引き下げか税率維持かが、焦点でしたが、一転、道路特定財源のあり方が論議されることになり、肩透かしを食わされた感じです。
給料は上がらない、物価は上がり続ける環境下での庶民感情からすれば、緊急事態なのだから、暫定税率の廃止は当然の要求と考えるのは当然です。暫定税率が廃止されれば約2.6兆円の歳入減少になるので道路が作れないと政治家や地方自治体の長が大声をあげていますが、多くの国民のために、その辺を何とかするのが、国民から選ばれた政治家や知事の仕事ではないでしょうか。
私の郷里の佐賀県や隣の福岡県と長崎県、そして、今回旅行をした茨城県では、最早、大人は各自、車を運転しています。車が無いと動きが取れないからです。だから、地方に住む人たちはガソリン代の負担が馬鹿になりません。女性やお年寄の多くが黄色プレートの小型車に乗っているのはガソリン代を節約するためです。
彼らはガソリン代に敏感です。だから、暫定税率継続を主張し過ぎると次の選挙でしっぺ返しを食らうかも知れません。政治は多数決です。多数の便宜を優先しない政治家は選挙で苦労するものです。
「ガソリン25円値下げ」などと矮小した議論ではなく、日本の経済活性化のためにサラリーマンの給与を上げるべきと、論点をずらす政治家もいますが、私は、「ガソリン税は引き下げ、サラリーマンの給与は引き上げ、道路整備は少しの間先延ばしすべし」と考えています。
MLBが北京で3月15日と16日にドジャースとパドレスによるオープン戦をオリンピック会場で行うことを発表しました。いよいよ、MLBの中国進出です。
プロスポーツリーグの海外進出とは何を意味するのでしょうか?
リーグと球団は保有する5つ権利(チケット販売、球場内物品販売、テレビ放送権、マーチャンダイジング、スポンサーシップ)を現金化することで収入を挙げています。5つの権利の内、フランチャイズ制を敷くアメリカのリーグでは、チケット販売と物品販売を、球団が独占的に保護された営業地域で現金化しますので、この分野の海外での現金化は全く期待できません。
MLB球団が海外で試合を行う場合、チケット販売相当額をMLB事務局に補償させます。MLBは海外の主催者に補償額を転嫁しますので、MLBも球団も海外興行で損を出すことはありえません。
MLBの本当の狙いは、5つの権利の内、フランチャイズ地域以外の市場でも現金化される、テレビ・マーチャンダイジング・スポンサーシップの海外市場での現金化、及び、その増収です。MLBがオープン戦を行うことは中国を新たな市場と位置付けたことを意味します。
海外進出は、テレビが著作権、マーチャンダイジングが商標権で守られることが前提になります。また、この2つの法的保護によってスポンサーシップ契約も安心して締結できます。
一方、日本のプロ野球は中国進出もままなりません。権利を一元化していないためです。特に、不完全な商標権保護が足枷になっています。逆の見方をしますと、著作権と商標権で保護されていない環境での試合興行は営業的に全く意味のないものです。そこがアマチュアとプロの違いでもあります。
昨日(23日)プロ野球のオーナー会議が開かれ、野球協約の改訂素案が了承されました。新しい野球協約では、オーナー会議を最高議決機関と規定する一方で、コミッショナーはオーナー会議や実行委員会の決定事項に対する執行責任を持つことで、言わば、行政の長になることを明確にしました。従来の司法的役割は、諮問機関を設け、その報告を受けて判断する形を取ることになります。
アメリカのプロリーグのコミッショナーもオーナー会議の決定事項に従いますので、日本のプロ野球のコミッショナーと同じく行政上の長であるとも言えますが、実際は大きく異なります。
オーナーは株主であり、オーナー会議は株主総会です。コミッショナーはリーグと名付けられた企業体の会長です。コミッショナーは常にオーナー会議にリーグ全体の繁栄のための提案を行い、実質的に、オーナー会議を主導しています。別の見方をしますと、コミッショナーの経営的行動・指導をオーナー会議は追認する立場を取っています。
同時に、リーグ全体のコンプライアンスをコミッショナーが監視しています。アメリカの人たちは、リーグに法的問題が生じた時にコミッショナーが直ちにメディアを通じて顧客であるファンに問題発生の経緯と対応策を伝えることが大事と考えていますので、今では、コミッショナーは裁判官+ビジネスマン+スポークスマンの3役をこなしています。
日本のプロ野球では、根来氏がコミッショナー代行を継続して行うことが決まりましたが、MLBは、今月の17日、バド・セリグコミッショナーの任期を2012年のシーズン終了まで延長することを公表しました。また、彼の年俸も1,450万ドル(約16億円)と決まりました。1992年に彼がコミッショナー代行に就任した時のMLB収入は16億ドル(約1,760億円)でした。2007年の収入が60億ドル(約6,360億円)です。
MLBコミッショナーの年俸、16億円に読者は納得ですか?
それにしても、代行職継続の根来氏はセリグコミッショナーに比べ陰が薄いですね。
来月29日からアメリカに行きます。NBA、NHL、NFLの経営責任者と「コミッショナーシップ」についても意見交換したいと思っています。
MLB選手の2007年の平均年俸が史上最高の282万ドル(約3億円)に達したと報じられていました。3億円は日本では大学卒サラリーマンの平均生涯給料に相当します。
プロスポーツリーグの収入分配システムは他の産業(特に、製造業)と大きく異なります。リーグ・球団・選手の塊が1つの事業体ですが、商品は「試合」です。試合は球場(工場に相当)で生産されますが、一般のメーカーであれば製造前に不可欠な、原料・半製品の購入と開発研究費を必要としません。
また、試合は工員や機械設備に相当する「選手」によって作られますが、試合終了と供に販売も終了です。試合は在庫になりません。したがって、流通、販売促進、広告宣伝の諸経費も必要としません。
以上から判断しても、球団の収支勘定は複雑ではありません。球団の経費は、球団事務所の運営・維持費用、球団役員・事務員の給料の外に、工場関連費用に相当する球場使用料、選手年俸、遠征費などの選手関連費用で構成されます。収入からこれらの経費を差し引いた残りが球団収益です。
現在、MLBの球団は、収入の約60%を選手年俸、10%を選手関連費用にあて、残り30%を球場使用料と人件費を含む球団維持管理費に充てた上で収益を捻出しています。
MLBは観客動員数の4年連続新記録を更新中ですし、大型のテレビ放送権契約も実現しました。1994年以来年率5%の収入増を続けています。潤沢な収入の中から40名の選手に60%が配分された結果が平均3億円ですから、球団は然程の負担にはなっていないようです。
日本のプロ野球選手(外国人選手を除く)の平均年俸が3,550万円ですから、残念ながら、現状では優秀な日本人選手のMLB行きを防ぐ手立ては皆無に近いですね。
1月9日付けで西武ライオンズ佐藤選手の年俸調停について書きました。彼の調停が実施されますと、1973年のマック・ファーデン(阪神)、1991年の落合博満(中日)、1993年の高木(横浜)、1996年の野村(オリックス)、1998年のソリアーノ(広島)、2001年の下柳(日ハム)に次いで7人目となります。
日本では制度導入以来7人目の調停を行うかどうかで、決着がついていませんが、MLBでは2007年のオフシーズンに、年俸調停を110選手が申請しました。直前の契約合意によって62名が調停を回避しましたので、結局、48名が年俸調停に持ち込んだことになります。
MLBの年俸仲裁公聴会は毎年2月にフロリダかカリフォルニアで開かれます。選手と球団の双方が希望金額を提示し、その根拠となるデータを提出します。データとは、当該選手と力量が「同等」と見なすことができる選手の年俸です。同じ力量の他の選手の年俸を基に、希望金額の正当性を主張する仕組みになっています。
仲裁人は調停も譲歩もしません。提示されたデータに従い、選手か球団かいずれかの主張を「是」とするのみです。しかも、24時間以内に決定し、双方の当事者を拘束します。したがって、希望額を不当に上げる欲の深い選手や、故意に低い額を提示するけちな球団は、年俸調停では負ける確率が高いようです。
このような仕組みですから、MLBでは年俸調停が日常化していますし、極めて事務的に処理されます。また、選手年俸が「同等」の力を持つ選手同士の金額で調整されることになりますので、1人が高くなりますと、年俸調停でなくて普段の年俸交渉でも、その高い金額に他の選手も収斂することになります。なぜなら、球団が年俸調停で勝てない有力な証拠を選手が握ったことになるからです。このからくりがMLBの選手年俸を引上げる要因にもなっています。







