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監督と企業トップの仕事の仕方に共通するものが多いと良く言われます。与えられた組織と戦力(人事)の下で長期戦略と短期戦術を駆使して成果を上げなければならない所や部下に対して情と非情を織り交ぜた人事を遂行しなければならない所などを指すのでしょう。

今年の日本シリーズでの落合監督の采配に賛否意見が分かれました。場面は第5戦9回の表でした。中日3勝で1対0でリードし、投手の山井は8回まで完全試合です。9回表をゼロで押えれば、中日の53年ぶりの日本一です。また、山井には日本シリーズ初となる完全試合が掛かっていました。
私は落合監督がどんな判断をするのか固唾を飲んでテレビを見ていました。結果は皆さんご承知の通り、落合監督は「勝ち」に拘り、守護神岩瀬投手への交代を決断しました。そして、岩瀬投手が日本ハムの3人の打者を押えて、日本一の栄冠を手にすると同時に、リレーでの完全試合をも達成しました。

監督は長いレギュラー・シーズンと短いプレイオフの両方を制しなければ優勝を手中にすることができません。レギュラー・シーズンは長期戦略を必要とし、選手に対しても長丁場を乗り切るために「情」に満ちた気配りの采配になります。チーム全体のエネルギーを引き出す戦いぶりを求められます。
一方、短期決戦のプレイオフでは勝てる機会に必ず「勝つ」ことが最優先されます。後がありませんので、過去の実績や栄光に関係なく、調子を上げている選手の集中投入が不可欠です。そのために、「非情」に徹する強い意思が監督には必要です。
それが今回の山井ー岩瀬のリレーでした。

落合監督は選手の時三冠王になっています。打率・本塁打・打点の3部門で首位でなければなりません。本塁打と打点は累積です。減りません。しかし、打率はヒットがでないと数字が落ちます。だから、打撃の力と技に加え、1年間を乗り切る戦略と戦術に明るい打者でなければ達成できません。落合監督は選手の時から戦略と戦術を組み立てられる人物だったと思われます。

しかしながら、一方で、落合監督は涙もろい人です。一般的に涙もろい人は情が厚いです。過去2回の日本シリーズでは非情に徹せずに、情の采配を取った故に、敗退しました。ところが、今回は「勝ち」を最優先しました。

今年の日本シリーズで落合監督は戦略と戦術を兼ね備えた名人監督の仲間入りを果したと思われます。次に、落合監督にスポークスマンの能力が加われば、鬼に金棒です。

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