前期の評価を付け終りました。帝京大の場合、学業成績をS・A・B・C・D・R(秀・優・良・可・不可・棄権に相当)で現します。
前期、アメリカ型スポーツ経営、ヨーロッパ型スポーツ経営、スポーツ産業構造論、ゼミの6コマで述べ1,000人が履修しました。
評価の配分は、テストが40%、レポートや宿題が60%です。学生に嫌われるくらいレポートや宿題の提出を求めますので、膨大な量になります。だが、前期15回分のレポートや宿題は学生の力量や努力を如実に現してくれます。小手先のごまかしは全く通用しません。
ゼミ生23名の内、小室君と田中君は3年次に他学校から編入してきた学生です。二人は私のゼミで勉強したいために編入を決意したそうです。実は、ゼミ参加を希望した編入生は4名いました。当然、彼ら4名は私の授業を1回も受けたことがありません。一方、私のゼミ生の半数以上が、1年生と2年生の時、私の授業でS(秀)の評価を取った連中です。スポーツ経営に関する限り、学力の差は歴然としています。
そこで、ゼミ参加を希望する編入生4名に対して、条件を提示しました。私が著述する4つの本、「メジャー野球の経営学」「プロ野球は崩壊する」「メジャーリーグの法律とビジネス」「スポーツと国力」を読んで、各冊1万字、合計4万字のレポートを4月の授業開始時に提出することを約束できるならばゼミ参加を許可すると4名に学校経由伝えました。
その厳しい条件を受けたのが小室君と田中君です。他の二人は願書では是非勉強したいと奇麗事を並べていましたが、4万字相当のレポート提出に腰砕けになりました。
4月から、小室・田中両君はゼミに加え、アメリカ型とヨーロッパ型を1年生と、そして、スポーツ産業構造を2年生と共に学ぶことになりました。
4万字のレポートを出し、決意を新たにした二人は、1回も遅刻・欠席をせず、毎週着実にレポートや宿題の提出を行いました。テストもほぼ満点に近い評価でしたので、3科目とも、総合点でトップ5に入る結果を出しました。
編入のハンディキャップがあっても、「やる気」があれば好成績を残せることを二人は証明してくれました。同時に、二人に厳しい条件を付けたことも正解でした。
後期はレポートや宿題を減らそうかな、と思いましたが、二人の成績から「勇気」を貰った気分です。
アメリカプロリーグの経営に関する授業は経営学科の選択必修になっていますし、法学や文学部の学生も履修できますので、約400人が授業を受けています。
授業の柱がプロリーグですから、例えば、ヤンキースのニューヨークやマリナーズのシアトルがどこに位置するのか知っておくべきと、MLB・NBA・NFL・NHLの順に4週間に亘って白地図に全球団の都市名と愛称を記入させました。その後、1週間の自習時間を与えた上で、30球団を白地図に記入するテストを行いました。
聖路加国際病院の日野原重明先生が、4月19日は「地図の日」とした上で、同日の朝日新聞のコラムで、「大人を含めたわれわれ日本人の地理や歴史に関する知識はまことに貧弱です」と書いておられました。
学生の白地図テストの結果は日野原先生のおっしゃることを裏付けるもので、あまりの出来の悪さに唖然とし、愕然としました。小学生以下と言っても言い過ぎではありません。
もっとも、テストが悪かったのは、学生の怠慢が70%、30%は私を舐めた結果だと思っています。中学・高校からの「甘え」を引きずっているのかも知れません。テストが悪くても誰も叱らないと高を括っていたのでしょう。
ここで彼らのペースに合せては私の負けです。テストをもう1回することにしました。成績の悪い学生には大量の宿題を課すことにしました。「心を鬼に」しなければならないと思ったからです。
テストをした結果、結局仕事が増え、余計に残業をするはめになりました。馬鹿なことをしたかどうかは7月2日に出る予定です。
本日、NHL(National Hockey League)からインターンを受け入れる旨の通知が届きました。これから、2月下旬から4月初旬の間の30日間、NHLにインターンを送るためのJ-1Visaを取得すべく、NHLと大学が協力しながら手続きに入ることになりました。
帝京大学では国内外のスポーツ関連団体・企業にインターンを春休みと夏休みに派遣しています。今年の3月にはニューヨークでエージェント(Torre監督を含む)業を営む私の友人のオフィスに送りました。従って、NHLの受入れは海外インターンシップ第2号です。
NHLコミッショナーのBettmanさんに先週金曜日メールを送りましたら、NY時間の火曜日に「Yes」との返事が来ました。NBAコミッショナーのSternさんにメールしますと翌日返事がきます。NHLやNBAを含め、アメリカ企業のトップはアクションが早いです。この点、返事の遅い日本の経営者は見習うべきです。
「スポーツ産業構造論」は火曜日3限の授業です。後期はリーグ、球団の中枢に位置する人たちの権限や責任について教えると同時に、隔週、実例研究としてゲストに講義をしてもらっています。今日は千葉ロッテマリーンズの荒木重雄事業部長に来てもらいました。
千葉ロッテは、2004年のストライキ騒動の直前、幻となりましたが、2番目のパリーグ2球団の合併・統合対象球団との噂になったほど、当時大幅な赤字を垂れ流していました。
ロッテの本業に大きな躍進が望めない現状では、千葉ロッテが球団として生き残るためには赤字幅縮小、更には、赤字解消が課題でした。荒木さんはそんな状況下の2005年1月末、事業部長に就任しました。
荒木さんを待っていたのは監督のボビー・バレンタインでした。荒木さんはバレンタインから「ファンサービスとは何か」を長時間に亘り、徹底的に叩き込まれました。それが、現在、千葉ロッテが実施しているファンサービスの原点だそうです。
荒木さんは楽天の島田社長と多くの共通項があります。普通の企業では極あたり前として受け止められています経営の「理念」や「ビジョン」を明確に打ち出して球団のビジネスが特別変ったことでないことを示していることです。
千葉ロッテで特筆すべきことは、この3年間で40人の新規採用を実施していることです。このことは、過去は手を付けていない仕事がたくさんあったことを意味します。もちろん、マリーンスタジアムの指定管理者になって球団と球場の一体化経営を進めていますので、ある程度の人員増は当然ですが、球団と球場の仕事の重複部分を削除し、その分人員削減を行った上での新規採用ですから驚きです。
今、仙台と千葉で野球ビジネスの改革が進んでいます。楽天や千葉ロッテの成功が他の球団に良い刺激を与えてくれれば良いのだが、と思いながら荒木さんの講義を拝聴しました。
11月20日は北海道日本ハムの大社オーナーに来てもらいます。札幌での改革を聞くことができるものと期待しています。
昨日(24日)読売ジャイアンツ(巨人)の原沢副代表に食事を招待してもらいました。帝京大の4年生が1人同席しました。実は、彼女が巨人から就職の内定をもらいましたので、主目的は彼女の激励会でしたが、原沢さんにはもう一つ目的があったようです。教室で私の理想論や非現実的空論を散散聞かされている彼女に現場の泥臭い話をして、少しでも彼女に免疫を付けさせたいとの親心だったようです。現役学生の巨人内定は彼女だけです。巨人が彼女に早く戦力になって欲しいと期待しているのが良く理解できました。
3年前に帝京大の専任教員になった時も、また、2年前「スポーツ経営コース」が経営学科に設けられた時も、球団に入社する学生がこんなに早く現れるとは想像していませんでした。彼女は大学の中でもトップクラスの成績ですから自信を持って巨人に送り出すことができますが、大学の成績に加え、昨年の夏約3週間巨人でインターンとして働き、その後もアルバイトなどで巨人の役に立っていたのが高い評価を受けたようです。スポーツインターン制度を昨年から始めて良かったと思いました。
最近教えることは難しいと思う時があります。彼女のように与えられた課題や宿題を難無くこなす学生もいれば、怠けることに知恵を廻す学生も居ますので、どのレベルに合わせるのかが難しいのです。
怠ける学生とタバコを吸う人には共通項があります。
タバコを吸う人はタバコが健康に良くないことを熟知しています。タバコを吸う人の大半は、タバコを吸う人が60歳頃になると2人に1人がガンになる事を知っています。それでもタバコを止めません。
授業に遅れたり、欠席する。強制されない限り提出物は出さない。そんな学生を多く見かけます。彼らと話をしますと、遅刻や欠席が悪いことは十分に分っています。しかし、不幸にして、態度を改めることができません。
共通していることは、タバコもサボりも実害が直ぐに出ません。人生の終盤に近い60歳頃になって、タバコを止めておけば良かったとか、学生の時にもっと勉強をしておけば良かったと、反省する確率が高いことです。
優秀な学生を更に磨きながら、落ちこぼれそうな学生をどのように救うのか、学校の先生は結構エネルギーを必要とします。







