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2008年8月25日(月)

金メダル確実と期待された星野Japanが銅メダルにも届かず、期待が高かっただけに、一転、色々な角度から批難を浴びています。日本のメディアは「勝てば官軍、負ければ賊軍」の傾向が強いので、週刊誌に続き、来週早々月刊誌が発行されることもあって、当分の間、星野Japanに対して集中砲火が続くと予想します。
だが、当然、数多くの批判の中には的外れもあります。星野Japanが選手村に入らなかったことが敗因であるが如きコメントはその典型的例です。今日は、オリンピックとプロリーグ及びプロ選手について考察します。

国際試合出場のために選手をチーム(クラブ)から解放(release)する仕組みは1870年に行われたイングランド対スコットランドのサッカー試合から始まり、このしきたりがサッカーのみならず、他のスポーツにも普及して今日に至っています。選手を解放する仕組みは選手がアマチュアであれば通用します。なぜなら、選手に報酬を払う必要がないからです。しかし、プロとなれば話が異なります。

アメリカのMLBや日本のNPBはプロ組織です。資金や経営の面では、IOCのみならず、USOCやJOCとも完全に独立した形を取っています。リーグと球団はシーズン中の試合及び試合から派生する権利を現金化することで収入を得、収入の中から選手に年俸を払っています。球団経営者は株主である球団オーナーまたはオーナー企業に対して企業責任を負い、収支を整えることが求められます。同時に、リーグや球団は選手に対してリーグや球団が主催しない試合に出場することを禁じています。なぜなら、年俸を払っているのは球団だからです。
したがって、選手がリーグや球団が主催しない試合に出場する場合、球団は主催者に選手出場に対する対価や万一選手がケガをしたときの補償を求めるのは当然のことです。もし、選手出場の対価を貰えない場合、選手解放を行わないのが普通の経営者の判断です。
だから、MLBはシーズン途中であることを理由に、MLB傘下の選手をオリンピックに派遣しませんでした。一方、NPBは選手をオリンピックに解放しました。

プロのオリンピック参加が解禁されて30年以上経ちますが、オリンピックの主催者のIOCは参加したプロ選手に対する無報酬を依然として貫いていますので、オリンピックの経済構造はプロ参加容認以前の状態が続いていることになります。この点を曖昧にせず、オリンピック出場のプロ選手に対する対価を明確にする必要があります。本来、主催者であるIOCに支払義務がありますが、IOCと各国オリンピック委員会との間で別途支払方法を定めることも可能と考えます。

優勝した韓国代表に対する最大のインセンティブは兵役免除でした。日本は兵役がありませんので、JOCが選手1人あたり1億円の報奨金を用意しておれば、あんな無様な負け方はしなかったでしょう。
プロ選手を無料で使うことは止めた方が良いし、況して、プロ選手を選手村に入れることは止めた方が良いでしょう。アメリカのバスケットボールのように、NBAの選手を特別扱いにして優勝を勝ち得た方がプロの世界では最上の策と考えます。

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2008年8月19日(火)

オリックスの清原和博内野手が昨日、西武との試合終了後、遠征先の所沢で今期限りでの現役引退を表明しました。オリンピック期間中に、いわば、オリンピックの陰に回るような報道でした。派手な清原選手でしたので、不本意なタイミングだったのではないでしょうか。

清原選手ほど才能に恵まれていた野球選手はいないと思います。大阪のPL学園高校に入学すると1年生にして4番打者。投手の桑田選手とのKKコンビで2度の全国制覇を成し遂げています。体格にも恵まれ、正に、天才打者でした。
1985年に西武に入団。当たり前の如く新人王を獲得しました。しかし、タイトルは、溢れんばかりの才能にも関らず、入団1年目の新人王だけに終わりそうです。8月18日現在、2,120本の安打、2割7分2厘の生涯打率、ホームランは525本で歴代5位です。これらの数字は普通の選手よりは遥かに立派です。だが、入団時、全ての記録を塗り替えるだろうと清原選手に対する期待が大きかっただけに、一抹の物足りなさを感じざるを得ません。

野球をさせるために神様と両親が共同して生み出したような清原でしたが、なぜ、上の並程度で野球人生を終ることになったのでしょうか。
私は、銀座や赤坂などで彼に数回出合っています。勿論、同席ではなく、擦れ違っただけです。彼以外で出会ったことのある野球やサッカーの選手は皆無に近いので、彼とは不思議な縁を感じます。
時間や場所から考えても当然ですが、彼はいつも赤い顔をしていました。彼は大変な酒豪とも聞いていますし、結婚前は下半身の武勇伝をたくさん提供しています。

いかに天賦の才があっても、グランドの外で大活躍しすぎると、グランドの上で全ての力を発揮することは困難であることを清原選手は教えてくれたと思います。
野武士風の兵がまた1人引退します。彼のセカンドキャリアに期待したいものです。

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2008年7月10日(木)

「Catch the Sports」の第2回目(13日午後8時から放送)の収録を行いました。今週のビジネス・コメンタリーは「FA制度」です。「FA制度」の放送用資料を読みたい方は連絡(自己紹介含め)下さい。メールで送ります。

今回、日本プロ野球組織(NPB)と日本プロ野球選手会(選手会)がFA取得年数を従来の9年から、8年(2007年以降入団の大学卒と社会人は7年)に短縮することに合意しました。補償金の減額も併せ決まりました。

FAは、MLB誕生(1903年)前に経営者によって作られた保留制度に対する長い戦いの後に選手たちが獲得した、球団移籍自由の権利(資格はMLB在籍6年)です。MLBでは1976年シーズンから導入されました。
FA取得までに100年掛かっています。その間に、MLBの独占禁止法適用除外を決めた最高裁の判断、独占禁止法違反を訴えた2つの人権裁判、スポーツ界初の団体労働協約締結、団体労働協約の下での第三者調停制度の導入、を経ています。アメリカの労働政策がそれらの動きに影響を与え、更には、アメリカの司法(連邦と州の裁判制度)の二重構造が関係しますので、FA獲得は人権が絡む壮大なドラマです。

MLBの選手たちは「獲得した」権利ですが、NPBの選手たちは「与えられた」権利です。

FA活発化の条件は、球団に支払能力があること、及び、有能な選手が存在すること、です。現状は、NPB球団の大多数は赤字経営です。したがって、FAを取得しても一握りの球団にしか移籍できません。逆に、新しいFA制度は「戦力の不均衡」を助長しかねません。
選手会はFAの活性化のために経営者に経営改善を訴え続けることが肝要ではないでしょうか。

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ロッテ・マリーンズ対ソフトバンクホークスの試合の前に、マリーン・スタジアムでファンの意識(マーケティング)調査を行いました。このマーケティング調査は5月3日のBJリーグプレイオフに次いで2回目です。
ゼミ生、23名を6つのグループに分け、グループリーダーの下に、入場門や広場など6箇所に分散して、ファンの皆さんに質問・記入するやり方を取りました。

開場が15:00でしたから、13:00に全員集合です。ロッテ球団から注意事項を聞いてから15:00までの90分が調査時間です。予定通り調査を終了し、全員で外野席の上の「スタンドデッキ」に向いました。そこで観戦するのですが、その前に、原田事業企画室長からマリーンズのビジネス・オペレーションについて説明を受けました。質疑応答を含め1時間の野外授業です。毎週のディベートのお陰かどうか分りませんが、日頃なかなか口を開かないゼミ生が活発に質問をしていました。質問の内容も質が高く、野外授業は満点の評価でした。

実は、3回目の共同マーケティング調査を7月12日(土)に大宮アルディージャと行うべく、出資会社のNTTドコモを通じて交渉をしてきましたが、結果的に断られました。
帝京大学は東京・千葉・埼玉のプロスポーツ球団と非独占(1対1の関係ではない)の下で広範囲な提携を進めています。広範囲とは、できることをやりましょうとの意味です。したがって、球場(スタジアム)での広告看板、野球やサッカーの教室、共同マーケティング調査、インターン生の受入れ、などの相互交流が含まれています。
アルディージャには、大学側から広告看板を出す用意がある旨伝えていましたし、出資会社が仲介しています。しかも、アルディージャは、収入はJ1平均以下、営業損を計上、累積赤字を抱えていますから、収入増に繋がる話を断わるとは思ってもいませんでした。何故か、今でも良く分りません。

球団の赤字解消に積極的に取り組むロッテ・マリーンズとゼミ生含め意見交換ができ、同時に、経営改善に消極的なアルディージャとの比較ができましたので、今日は極めて有意義な日となりました。

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ソフトバンクのガトームソン投手と読売のゴンザレス内野手に続いて、ヤクルトのリオス投手に不正薬物使用が発覚しました。日本プロ野球界での違反者は3人目。全てが外国人です。

ドーピングと言えば、オリンピックが最も力を入れています。1999年にWADA(世界反ドーピング機構)が設立され、2000年のシドニー大会収入の1.9%、2,500万ドルがWADAに配分されました。以来、WADAはIOCのみならず、プロのスポーツ界にも反ドーピングを訴えています。

何故、ドーピングが問題になるのでしょうか?
不正だからです。スポーツの商業的価値が上昇しているために、「勝つ」こと、または、「良い」成績をあげることが「お金」を得る最良・最短の手段になりがちです。今、有力選手を取り巻く人たちは家族のみならず、エージェント、スポンサー、ライセンシーにまで及んでいます。だから、お金のためなら不正も辞さないと考える人が増えています。
元来、スポーツは、プロとアマチュアを問わず、「フェア」でなければ何の意味もなく、全く面白みがありません。ドーピングは八百長と同じです。

しかし、最も心配すべきは不正薬物を使用する選手の体なんです。選手たちが将来廃人同然の生活を送らないためにも不正薬物使用について厳重な監視が必要です。
同時に、スポーツファンの我々のためにも不正薬物使用は撲滅すべきです。何故なら、薬物がホームランや完全試合を作り出していたら記録の価値が無くなってしまいます。スポーツの面白みは記録への挑戦でもあります。だから、ドーピング監視は絶対に重要です。

ただ、気になるのはプロ野球界の反ドーピングに対する姿勢がやや緩慢なところです。金が掛かっても抜き打ち検査の回数をもっと増やす必要があります。不正が罷り通るスポーツをファンは見たいと思っていません。だから、外国人選手の検査は当分の間定期的に行う方が良さそうです。

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