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政変は1日にして成るが、経済の変化は長い年月を経て形成される。産業革命がその典型的な例である。産業革命は動力機械の発明・導入後の経済成長の一段階と解釈することができ、軽工業を中心にビクトリア女王在位(1837~1901年)期間に栄華を極めたイギリスと重工業を梃に第一次世界大戦(1914~1918年)以降世界第一の経済大国に浮上したアメリカが、経済の成長で最も恩恵を受けた代表格である。日本もバブルが弾ける前の10数年間は世界の経済を牽引し、経済成長の恩恵を蒙った国の一つに列する。その意味では先端技術を中心に経済成長を持続する日本の経済は今でも産業革命の一端を担っていると考えることもできる。
この記事は「フジサンケイビジネスアイ」(8月8日発売)に寄稿した原稿ドラフトです。
本文全部を読んでみたい人はリクエストください。こちらから、メールで送付します。

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プロスポーツとフランチャイズ :
プロスポーツリーグはフランチャイズ制を取ります。フランチャイズは地域独占営業権を球団に与える制度です。日本のプロ野球はアメリカに倣ってフランチャイズと言いますが、サッカーのJリーグはホームタウンと言います。しかし、経済学的見地では、フランチャイズ制もホームタウン制も同意義です。なぜなら、プロ野球とJリーグは両方とも地域独占の営業(チケット販売)を認められているからです。

プロスポーツリーグの商品は「試合」です。ビジネスが試合を軸に展開します。現在、プロスポーツリーグは、次のようなことを行って収入を得ています。

  1. 試合のチケットを観客に売る
  2. 球場内で観客に物品を販売する
  3. テレビやラジオの放送権をテレビやラジオ局に売る
  4. マーチャンダイジング商品のライセンス契約を結び、ロイヤルティを得る
  5. スポンサーシップ契約に基き、企業からスポンサー料を得る

この5つの営業行為の内、1つ目のチケット販売と2つ目の球場内物品販売では、球場に試合を見に来てくれる観客がお客さんです。観客の大半は交通手段を使って2時間程度の所に住んでいます。顧客はフランチャイズの区域に住んでいる人たちなのですから、フランチャイズ制度の下では、各球団が地域密着の営業を行うことは、経営的にみて、当たり前のことなのです。
Jリーグがホームタウン制と言ってことさら地域密着を強調しますが、プロ野球も地域密着の営業は当然の仕事です。この制度の下では、球団は1つ、そして、顧客はたくさんの関係ですから、球団は、経済学的に最も強い立場である「売り手独占」を維持できます。

本文は2007年7月5日の金沢工業大学の講義内容の一部です。
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西鉄ライオンズと私 :
最初に私事ですが、私は小学校2年生から5年生の4年間、佐賀県鳥栖市に住んでいました。3年生の時、鳥栖北小学校ができて、鳥栖小学校から分離しました。その鳥栖北小に3年生から5年生の3年間通いました。この3年間、、1956年から1958年が西鉄ライオンズの日本シリーズ3連覇と重なります。この間、たびたび、平和台球場に野球を見にいきました。当時、プロスポーツは野球だけです。クラスの誰もが野球が好きで、放課後、毎日のように、数人が集まればキャッチボールや三角野球に興じたものです。
野球選手は憧れの的で、将来の夢について聞かれると、皆、判を押したように、「野球選手」と答えたものです。当然、皆、西鉄ライオンズの大ファンでした。

私は、今でもその当時の西鉄ライオンズの最強のラインアップを覚えています。
1番 センター   高倉
2番 セカンド    豊田
3番 サード     中西
4番 ライト      大下
5番 レフト     関口
6番 フィースト   河野
7番 セカンド    仰木
8番 キャッチャー 和田
9番 ピッチャー   稲尾
監督は三原脩です。正に、西鉄ライオンズの黄金期でした。

しかし、皆さんご承知の通り、西鉄ライオンズは1973年消滅しました。そして、1979年、ライオンズは所沢に移転して、名称も西武ライオンズに変りました。フランチャイズを失った古きよき時代の西鉄ライオンズファンは祖国を失ったユダヤ人と同じように、さまよえる野球ファンになってしまいました。福岡または福岡の近郊に住んでおられる皆さんの多くは、ダイエーを経て、福岡ソフトバンクホークスを応援することができますが、私は今でも約50年前の栄光を引きずるフランチャイズのない野球ファンなのです。

本文は、2007年6月22日の西南学院大学の基調講演の一部です。
本文全部をお読みになりたい方はメールで連絡ください。全文を送付します。

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フランチャイズ制はアメリカプロリーグの特徴の一つであるが、球団保有の目的が個人の社会的ステータス向上に加え、投資の比重が高まる昨今では、球団オーナーがフランチャイズ(球団)価値に関心を持つのが日常的となった。
球団の価値は以下の3つの要因が関係する。

  1. 球団が本拠地とする都市の人口規模とその伸び率
  2. 観客動員力と売上に直結する球団の経営努力
  3. リーグの経済的総合力を高めるコミッショナーのリーダーシップ

アメリカのNational Football League (NFL) コミッショナーのポール・タグリアブ―氏が、昨年9月辞任した。彼のコミッショナー職17年の内、1995年から2005年の間に、NFL球団の平均価値が約5倍上昇した。オーナーに雇われるコミッショナーの使命は、球団価値の上昇に収斂する。オーナーの期待に完璧に応えた彼は名コミッショナーとして後世に名を残すことになった。

この記事は「リンクスポーツマネジメント」(2007年6月発行)に寄稿した原稿ドラフトの一部です。
本文全部に興味のある方はメールを下さい。全文を送付します。

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ドラフトの制度は1936年National Football League (NFL) コミッショナーのバート・ベルの独創的発想から生まれた。当時はテレビが家庭に普及しておらず、プロリーグは収入の大部分をチケット販売に依存していた。中でも、NFLは試合数が少ないために、球場を毎試合観客で満杯にすることが最も重要な施策であった。球場を観客で埋め尽くすには、試合が面白いに違いないと観客に期待してもらわねばならない。観客が期待する手に汗する緊迫した試合展開は対戦する2つの球団の戦力が等しい時に実現し易い。そこで、ベルは、球団戦力の均衡を計る目的で、前年度最下位チームから順次新人選手を選択する制度を採用した。この制度の下では、選抜第1位の選手の契約金を最高額に設定し、2位以下順次漸減することにより、選手契約金の抑制も達成できる。

経営者側に有利な制度であるドラフトを、National Basketball Association(NBA) と National Hockey League (NHL) がNFLに続いて採用するが、Major League Baseball (MLB) の導入は1964年まで遅れた。その原因はファーム制度にあった。ファーム制度が確立していなかった(今でも確立していない)NFLとNBAは大学の選手に即戦力を期待せざるを得ない。球団が最も弱い所を新人選手で穴埋めするので、ドラフトが戦力補強に直結する。一方、ファーム制度が完成しているNHLとMLBは、戦力の均衡よりも新人選手契約金の上昇を防ぐことに重点を置いてドラフトを導入した。ファームを経験していないMLB選手が極めて少ないことからも、MLBがドラフトを戦力の均衡の手段にしていないことが理解できる。このように、ドラフト導入の経緯と理由がリーグの間で若干異なっていても、アメリカのプロリーグは、前年度最下位のチームから新人選手を採択する理念を共有している。

日本のプロ野球(NPB)はMLBが導入した翌年の1965年にドラフトと言う名のシステムを取り入れた。NPBは、MLB同様、戦力の均衡よりも契約金抑制を重視したが、実際に採用したのは、前年度成績に関係なく自由に選手を指名し、複数球団競合の場合に抽選を行う仕組みだった。NPBのドラフトは最初からアメリカ方式と異なるものだったし、戦力の均衡を維持する精神から逸脱していたが、1993年の逆指名や2001年の自由獲得枠が実施されるに至って、本来のドラフトの理念は完全に形骸化してしまった。希望入団枠が論外だったことは言うまでもない。

この記事は「集英社Imidas」(2007年6月)に寄稿した原稿ドラフトの一部です。
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