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瀬島龍三氏が亡くなりました。95歳でした。
瀬島さんほど、伊藤忠商事及びその社員に影響を与えた人を私は知りません。現在の伊藤忠の姿は彼が描いた会社像そのものと言っても過言ではありませんし、彼の最大の功績は社員のモチベーションを最大限高めたことだと思います。彼から直接薫陶を受けた人たちが会社の中枢を担いましたので、それこそ、全社員が間接的に彼の薫陶を受けたことになります。私も間接的に「瀬島流思考法」を仕込まれました。

瀬島さんの思考回路は幾通りもありましたが、ものごとをA4の用紙1枚に、現状認識・現状分析・対応策を3項目ずつ合計9項目で表現する方法などは今でも私の「血と肉」となって残っています。結論を最初に出して説明する方法や、5年・10年・25年のスパンで戦略を練る手法も、石炭・エンターテイメント・大学と仕事の内容が変っても、私の精神構造の中心に位置し続けています。

私の人生における最大の失敗も瀬島さんに関係しています。入社して2~3年の頃です。銀座で石炭部・鉄鉱石部合同の宴会時に、瀬島さんがふらりと立ち寄られました。実は、彼が座ったのは覚えていますが、それ以降の記憶がないのです。当時、私は下戸で、飲むとすぐに寝ていました。その時も、目が覚めた時、本部長以下全員が瀬島さんの見送りに出て、席に誰もいませんでした。後で、「瀬島さんの前で寝るのだから、お前は大した度胸だ。」と叱られました。出世競争から脱落した瞬間だったかも知れません。当時、瀬島さんの影響力は絶大なものでしたから。

私が伊藤忠に入社したのが1970年、その時、瀬島さんは58歳でした。その後の業績は皆が知っている通りです。私は、今、59歳。瀬島さんの死去に接して、改めて、瀬島さんから台風並みのパワーを貰ったような気がします。

瀬島さんのご冥福をお祈り申し上げます。

 

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