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 初夏の6月、プロバスケットボールのNBA(National Basketball Association)では、Final、いわゆる、優勝争いの最終戦を迎えます。組織が統合され、名称がNBAとなった1948年から続く優勝戦ですから、歴史の重みを感じます。NBAの現行ルールでは、11月から始まるレギュラー・シーズンに各チームが82試合を戦い、その後、上位16チームがプレーオフに入ります。そこで最大19試合(最少でも11試合)を消化して、勝ち残った2チームが優勝を目指して対戦します。それがFinalです。先に4勝したチームがチャンピオンです。

 スケットボールは動きの速い激しいスポーツです。選手はコートの上を常時走り回って点数を重ねます。時間が止まるのは、ボールがコートの外に出た時、及び、フリースローとタイムアウト(作戦や休息の時間)の時だけです。試合に出場できる選手の数は12名、コートの上でプレーをする選手の数は5名と定められています。いつでも、また、何回でも選手交代が可能ですが、選手には、「走る・飛ぶ・投げる」の超人的能力に加え、長期間の激しい動きを耐え抜く強靭な体力も要求されます。因みに、日本のバスケットボールスーパーリーグ(社会人)のチームは、年間28試合の後、プレーオフで最大8試合(最少5試合)を勝ち抜けば優勝ですから、世界最高のプロ(NBA)とアマチュア(スーパーリーグ)とでは、要求される能力と体力が全く異なることが理解できます。

 NBAの1970年代は苦難の10年でした。ドラッグが選手を汚染し、テレビ放送の契約も儘ならない状態が続いたことも相俟って、NBAのチームは軒並み経営が悪化しました。リーグの3分の2のチームが赤字に陥ったと言われています。そこで、経営者も選手もリーグ存続の危機感を共有することになり、その結果導入されたのが、チーム当りの選手年俸総額を定める「サラリーキャップ」です。1982年にプロリーグとして初めて制度化されました。サラリーキャップは経営者と選手が運命共同体的気運を醸成すると言われますが、紛れも無く、選手年俸を経営者の管理化に置く手段の一つです。また、この制度によって各チームの戦力が均衡するのも過去の実績で証明されています。例えば、1982年以前には、Boston Celticsが1959年から1966年まで8連覇を遂げていますが、1982年以降では、NBA史上最高のスーパースター、MichaelJordanに率いられたChicago Bullsが3連覇を2回、また、怪物、Shaquille O’Nealの下でLos Angeles Lakersが3連覇を1回達成したに過ぎません。

 戦力が均衡して、どのチームが優勝しても決して不思議でない環境の下で、レギュラーシーズンとプレーオフを勝ち抜いてきた2チームのチャンピオンシップを掛けた最後の戦いがFinalですから、実力は紙一重です。戦う選手の気力の差が勝敗を分けると言われています。Finalではどちらのチームの選手が気迫で優るのか、選手の意地のぶつかり合いを大いに楽しみましょう。この記事は「英語教育」2006年6月号に寄稿した原稿ドラフトです。

この記事は「英語教育」2006年6月号に寄稿した原稿ドラフトです。

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