レアル・マドリードのフロレンティノ・ペレス会長が動きました。イタリアのACミランに在籍していた「カカ」を獲得。移籍金は約92億円。更には、イングランドのマンチェスター・ユナイテッドに所属する「ロナウド」をも獲得。移籍金は史上最高の約129億円。二人の移籍金合計は約220億円です。
レアルの2006-07シーズンの収入は3.51億ユーロ(約490億円)で、サッカー界最高を誇っています。490億円の収入があるとは言え、220億円の追加費用(人件費)です。普通の会社では有りえないことです。なぜ、レアルは可能なんでしょうか?
スペインのクラブは、国内法によって、非営利団体です。プロがNPOとは不思議な形態ですが、クラブの買収を避けるための措置でした。そこで、クラブは、ファンから会費(ソシオ)を募って、集まった会費でクラブを運営する仕組みを作りました。この仕組みを「ソシオ制度」と言います。(唯、1990年に「スポーツ会社法」ができ、現在、ソシオ制度の下でクラブ経営を行っているのは、レアル、バルセロナ、バルビオ、オサス-ナの4クラブになっています)
会費を払った会員は、年間予約席を得ると共に、クラブ会長選挙の時「投票権」を得ます。所が、クラブはNPOですから、会長は経営責任を取る必要がありません。だから、会長選挙では、会長候補がとんでもない公約(マニフェスト)を掲げます。会員も経営責任がありませんから、当然、派手な公約を掲げた候補に投票します。
現会長のペレス氏が2000年の会長選に立候補した時、全くの無名でした。そこで、彼は、当時バルセロナに所属していた世界的大物の、ルイス・フィーゴの獲得を掲げ当選を果しました。そして、レアルは大金を叩いてフィーゴを手に入れました。ペレス会長は、過去にも同様の手法で、世界的な有名選手をレアルに持ってきています。
だが、220億円も臨時で出費するレアルが収支を整えることが可能だろうか、との疑問が残ります。何故なら、レアルは、過去、有名選手を取り過ぎて大きな負債を抱えたために、練習場をマドリード市に売却した苦い経験を持っています。
所で、スペインのクラブの多くが大きな負債を抱えていると言われていますが、どうやら、銀行借入で帳消しにしているようです。ソシオ組織では、銀行借入金に誰も責任を取ろうとしませんので、返済は先送りされます。銀行も無理に取り立ててクラブを窮地に追いやるとファンの怒りを買いますので、金利だけ払ってもらうことで妥協しているようです。
カカとロナウドの獲得でレアルの財務は相当劣化すると予想されます。レアルがどのように収支のバランスを保つのか、注目です。
Forbidden fruit is sweetest.
投稿者:大坪正則 | 22:22








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