一定の条件を満たしたプロ野球選手が自由に所属球団を選択できるフリーエージェント(FA)の資格取得年数をめぐって、球団側と選手会の話し合いが難航しています。この問題は日本のプロ野球の制度的欠陥を露呈すると共に、話し合い結果次第ではMLBへの選手流出を加速する可能性を秘めているだけに、労使の合意には時間が掛かりそうです。
現行の制度では、FA取得までに、1軍に145日以上登録されたシーズンを1年として、9年在籍する必要があります。また、現実に権利を行使して移籍する場合、移籍先に年俸の1.2倍を補償しなければなりません。
そこで、選手会は、FA資格取得期間を7年に、また、移籍先補償金の撤廃を求め、もし経営者が満足する回答をしない場合、訴訟も辞さないとの姿勢を取っています。
ところが、経営者側は、過去長年に亘って本当の経営努力(選手に高い年俸を払う努力ではなく、構造改革、言わば、リーグと球団の稼ぐ力を高める努力)を怠ってきたために、どうにもならない所まで追い詰められています。MLBとの年俸格差が拡がりすぎて手の施しようがないからです。
FA資格取得期間が短縮されれば、益々、各球団の柱となるべき有力選手がMLBに流出することになるでしょう。日本のプロ野球の空洞化が進みます。一方、FA資格取得期間短縮を拒否すれば、選手会は日米の差異を裁判所や世間に訴え、場合によってはストライキ権を行使するかも知れません。いかなる場合も、経営者の怠慢に批難が集まる可能性を否定できません。経営者は、「本当の構造改革とは何なのか」、また、「改革の目標をどの程度に設定すべきか」、改めて問われることになるでしょう。
投稿者:大坪正則 | 21:22








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